これから動画編集を始めようとすると、
数ある編集ソフトの中からどれを選べばいいの?自分にあったソフトはどれ?と悩んでしまいますよね。
もし本気で映像編集で稼ぎたいと思っているならソフト選びは2択です。
なぜこの2択なのかと言うと、
・この2つのスキルが必要な仕事・案件が多いから
・プロの映像業界でも使用しているから
私自身も現在フリーランスの映像編集者として活動していますが、近年の作品は以下のようにどちらかのソフトを使用しています。
作品 | 使用ソフト |
---|---|
テレビドラマ | Avid Media Composer |
映画 | Avid Media Composer / Adobe Premiere Pro |
Amazon Primeビデオ | Avid Media Composer |
コマーシャル | Adobe Premiere Pro |
NHKドキュメンタリー | Adobe Premiere Pro |
このようにPremiere ProかMedia Composerを扱えるようになれば、様々な作品の編集を行うことが可能になります。
・なぜこの2択なのか?
・なぜこのソフトを使うと稼ぐことができるのか?
これらを解説してゆきます。
選択肢①:Adobe Premiere Pro というソフト
Windows | MacOS | |
---|---|---|
プロセッサー | Intel® 第 6 世代以降の CPU または AMD Ryzen™ 1000シリーズ以降のCPU |
Intel® 第 6 世代以降 CPU |
OS | Microsoft Windows 10(64 ビット) 日本語版バージョン 1803 以降 |
macOS v10.14以降 |
価格 | 税込 2,728 円/月(1年契約) | 税込 2,728 円/月(1年契約) |
無料お試し期間 | 7日間 | 7日間 |
「Photoshop」で有名なソフトウェアカンパニー ”Adobe Inc.” が開発する映像編集ソフト。(以下プレミア)
そのユーザー層は幅広く、動画初心者からYoutuber、プロの編集者まで様々です。
直感的な操作性をもちながら、TV放送などにも対応できるハイエンドな編集ソフトです。
近年Premiere Proを使って編集されたおもな作品は以下の通り。
・マインドハンター
・デッドプール など
Adobe Premiere Pro のメリット
メリット①:圧倒的な業界シェア
みなさんも「Premiere Pro」というソフトは聞いたことがあったのではないでしょうか?
「動画編集」とネットで検索すると必ずと言っていいほど登場するソフトです。
つまり、それ程までに利用者の多いソフトだということです。
利用者が多いということは、プレミアでの編集中に何か問題につまずいた時、ネットで検索することで膨大な数の解決策や情報を入手することができます。
利用者の少ないソフトですと、問題につまずいてもそのソフトを使っている人が少ないのでなかなか欲しい情報が出てきません。やっと見つけたとしても英語で書かれてよく分からないということもあります。
メリット②:クライアントワークの指定ソフトとして登場率が高い
動画編集で稼ぐことを目標としている場合、編集の案件をクライアントから獲得して作業し、作品を納品します。
そこで様々な案件が日々飛び交う日本最大級のフリーランス向け仕事依頼サイト「Lancers」で映像編集の仕事を探してみます。
このように、高い確率で使用ソフトをプレミアと指定されることがあります。
せっかく編集技術を磨いても、クライアントが求めていないソフトを使っていたばかりに仕事を逃すなんてことになったら、悲しすぎます。
プレミアを使用していれば大抵の案件は参加可能です。
メリット③:画像ソフトなどとの連携が強い
プレミアを開発するAdobe inc.は写真加工ソフト「Photoshop」やイラストソフト「illstrator」で有名な企業です。
これら静止画を扱うソフトとの連携も同じ企業のソフトなのでとてもスムーズに行うことができます。
「Adobe Creative Cloud」コンプリートプランを利用することにより、これらのソフトをまとめて使用することができるようになります。
「Photoshop」を使ってデザインされたテロップを作ったり、「illstrator」でキャラクターを描写してさらに「AfterEffects」というモーショングラフィックソフトを使って、それらに動きをつけたアニメーションを作成し、プレミアで実写と合成して編集するなんてことも可能です。
まさに思い描いた映像を作り出すことが可能になります。
メリット④:様々な素材を扱うことが出来る柔軟さ
プレミアで扱うことのできるファイル形式は公式ページ上では32種類にのぼります。
扱えない映像ファイルはないのでは?と思うほどのマルチフォーマットです。
おもに登場頻度の高いファイル形式は下記になります。
・MP4
・MPEG
・WMV
・AVI
さらにプレミアのすごいところは、これらファイル形式の違う映像を
同じシーケンス(編集作業をする領域)に混在させることができる事です。
・どんなファイルでも読み込むことが出来る
・ファイル形式の違う映像も混在して編集できる
「どんなファイルでもおまかせあれ!」この柔軟な考え方がプレミアの長所だと思います。
Adobe Premiere Pro のデメリット
デメリット①:価格が高い
無料の映像編集ソフトも数多くあるなか月額 税込2,728 円(1年契約)というのは高いと感じると思います。
さらに「Photoshop」なども利用可能になる「Adobe Creative Cloud」コンプリートプランは月額 6,248 円(税込)とかなり高価な部類に入ります。
しかし、プレミアを習得することで確実にお仕事の案件獲得は可能になると思います。
慣れてくれば月額分の収入は1つの案件で元がとれると思います。
長い目でみると、必要コストと考えることができるのではないでしょうか。
さらに、初回は「7日間無料」のトライアル期間があります。
まずは無料期間で実際に使用してみてはいかがでしょう。
デメリット②:データトラブルがある
まれにですが、データの書き出しがうまくいかない場合があります。
プロの現場での利用の場合、編集作業が終わると次はサウンドを整える作業に入ります。
その時、編集後のサウンドデータを作成しサウンドチームに受け渡します。通常は、OMF 、AAFなどと呼ばれるサウンドデータを作成しますが、このデータが相手側で開けないという問題がありました。
最近はプレミアもアップデートを重ねてこれらの問題は少なくなってきてますが、まだ多少不安定な部分があるという印象があります。
デメリット③:ユーザーインターフェースのカスタマイズが惜しい
多くの編集ソフトが各作業ウィンドウの位置や、よく使うツールのレイアウト、キーボードのカスタマイズなどが可能です。
もちろんプレミアでも可能ですが、細かなところで惜しいなと感じることがあります。
例えば素材管理をするプロジェクトウィンドウですが、文字が非常に小さいのです。
私は常々この表示フォントを大きく出来ないかな?と思い続けております。
このような、痒いところに手が届かないカスタマイズ機能は非常に惜しいと思います。
選択肢②:Avid Media Composer というソフト
Windows | MacOS | |
---|---|---|
プロセッサー | Avid動作検証済みWindowsベースのコンピューター | Avid動作検証済みMacベースのコンピューターCPU |
OS | Windows 8,10 Professional(64ビット) | Mac OS X LionおよびMountain Lion(64ビット) |
価格 | 税込 3,080 円/月(1年契約) | 税込 3,080 円/月(1年契約) |
無料お試し期間 | 30日間 | 30日間 |
Avid Technology, Inc. (アビッド・テクノロジー)が開発する映像編集ソフト(以下メディコン)
1988年に世界で初めて、PCでの映像編集を可能にするソフトを開発した歴史ある企業。
それまで映像編集はフィルムやテープを物理的に繋いでいたのに対し、デジタルでの編集作業は当時の編集者たちにとっては革新的であり、以降映画の中心ハリウッドなどでの映像編集に欠かせないソフトとなる。
近年のハリウッドではアカデミー編集賞にノミネートされているすべての編集者がMedia Composerを使用するまでに普及している。
近年Media Composerを使って編集されたおもな作品は以下の通り。
・スターウォーズ フォースの覚醒
・アベンジャーズ など
Avid Media Composer のメリット
メリット①:世界中の編集スタジオが導入している
先の説明のとおり、ハリウッドはもちろんヨーロッパや日本でも映像を扱うほぼ全てのスタジオに導入されているソフト。
そのジャンルは映画だけに限らず、TVドラマ、ニュース、配信、ミュージックビデオ、コマーシャル、SNS、Youtubeとあらゆる映像編集の場面に登場します。
つまり、プロの編集者が扱うNo1編集ソフトです。
このメディコンをマスターすることでプロの現場で即戦力になる可能性が上がります。
メリット②:データの信用度が高い
先のプレミアはまれにデータトラブルがあるという話をしました。
メディコンはプロユース向けに開発されているので編集作業の前後には多くのスタッフが関わっていることが想定されています。
素材を受け取り、編集しサウンドチームにデータを渡す、必要なカットにCG処理をするため映像データをCGチームに渡す、映像の色補正をするため、撮影チームにデータを渡すなど。
あらゆる部署にそれぞれの必要なデータを渡す場面があります。
その際に出すデータが開けないなどのトラブルがあると大変です。
データの信頼性が高いのはもちろん、出力するデータの内容を細かく設定することができますので、安心してデータのやりとりをすることができます。
メリット③:カスタマイズが自由自在
プレミアでもカスタマイズはできますが、痒いところに手が届かないと申しました。
メディコンの場合はいたるところ全てカスタマイズが可能といっても良いのではと思うほど様々なものが自由に設定できます。
キーボードの配置はもちろん、プレミアではできなかった文字の大きさも変えられます。
まさに自分専用の編集機として唯一無二のものにカスタマイズできる自由度の高いソフトです。
Avid Media Composer のデメリット
デメリット①:独特のインターフェース
カスタマイズがしやすく自分好みにできる反面、独特な操作感で最初は混乱すると思います。
例えばプレミアですと、クリップを移動するのはシーケンスの対象クリップをクリック&ドラッグで移動できますが、メディコンは一度対象クリップをシーケンス上から無くして移動したい箇所に素材から入れ直すといったように、直感的な作業というより理屈で作動するような印象です。
私自身もプレミアが映像編集の入り口でしたので、この操作感に慣れるまでかなり戸惑いました。
慣れてしまえば何てことはないのですが、独自のインターフェースなので、他のソフトから乗り換える方はつまずくポイントかもしれません。
デメリット②:マニュアルがほぼ無い
プロユースのソフトですので、そのシェアはプロの編集者の人口くらいでしょうか。
間口の広いプレミアに比べると圧倒的にトラブルシューティングの情報がネット上に少ないです。
見つけたとしても、大体記事は英語ということもよくあります。
わからないことは英語を訳すか、サポートに問い合わせる、もしくはFacebookなどにユーザーコミュニティがあるのでそちらで質問するというのが実際のところです。
デメリット③:価格が高い
先ほどのプレミアに比べてより高い、月額 税込3,080 円(1年契約)です。
しかし、初めて使うのであれば「30日間無料」で使用できますし、
機能を制限した無料版の「Media Composer first」というものもあります。
まずはこちらから始めてみるのもアリだと思います。
まとめ
あくまで私の私見ですが、「Adobe Premiere Pro」と「Avid Media Composer」が本気で映像編集で稼ぐために必要なソフトであるということがお分かりいただけたでしょうか。
映像編集を副業としてクライアントワークを受注して稼ぎたいと思っているならば、業界シェアが高く、トラブルシューティングにも強い「Adobe Premiere Pro」をお勧めします。
映像編集を本業として考えているならば、もう1つの選択肢として「Avid Media Composer」も検討してみてください。ソフトのクセや、トラブルシューティングの少なさはありますが、プレミアに比べユーザー数が少ないのでメディコンを使いこなせれば貴重な人材となることができます。
そうなればもちろん貴方の価値は上がりますし、価値が上がればその分報酬も増えてゆきます。
また、プロの現場への足がかりにもなるかもしれません。
どちらのソフトも月額制の有料ソフトですが、1年(12ヶ月)契約することで月額が割引されます。
さらに、無料トライアル期間もありますので、まずは実際に使用してみてご自分の合うソフトを見極めてください。
Adobe Premiere Pro の製品ページはこちらAvid Media Composer の製品ページはこちら
それでは、最後まで読んでくださりありがとうございました。