【Premiere pro】3点確認で迷わないシーケンスの使い方

Adobe Premiere Pro

Adobe Premiere Pro(以下プレミア)で動画編集をする時、新たにシーケンスを作成するとプリセットを聞かれますよね。

このプリセット、種類が沢山あってどれを選択すればいいか分からない。


こんな悩みをお抱えではないでしょうか?

結論から言いますと、

撮影素材か、アウトプットするフォーマットに合わせるです。

では、そのためには何を確認すれば良いのか?

こんな悩みを解決するプリセット設定で確認するべき3点を解説をしていきます。

■この記事の内容
シーケンスプリセットで注意する3つの箇所
・フレームサイズ
・フレームレート
・フィールド


日頃、映画やドラマの編集をしている私が、複雑なプリセットのどこに注意すれば最適な環境で作業できるのかをお伝えします。

これさえ分かればもうシーケンスのプリセットで迷うことはありません。

はじめに

プレミアではこのシーケンスプリセットを無視する方法もあります。

プリセット選択を迫られたときに、どれでもよいので1つ選択します。

そして撮影素材をシーケンスにドラッグすると以下のような警告文が出ます。

このとき「シーケンス設定を変更」を選択すると映像素材に最適化したシーケンスに自動的に変更してくれます。

これは同一カメラや設定が同じ映像を扱う際には非常に便利な機能ですが、

異なる設定の素材がある場合は、後で追加した素材とのズレや問題が生じてしまう可能性があります。

正しい知識を持つことでこれらの問題を回避することができます。

adobe Premiere Proのシーケンスとは

そもそもプレミアでいう「シーケンス」とは映像を編集してゆく作業台のような場所です。

よく編集は「映像を料理する」と言われます。

シーケンスを料理に例えるなら「まな板」です。

StockSnapによるPixabayからの画像

このまな板の上で様々な映像素材をカットして1つの作品に仕上げてゆきます。

しかし素材が大きかったらどうでしょう?

上の写真のような小さなまな板で大きなマグロを解体することは出来ませんよね。

大きなマグロを解体するには、大きなまな板が必要になります。

これは映像の世界でも同じです。

大きなサイズの映像を作業するには、大きな作業場となるシーケンスが必要なのです。

このように扱う素材によって最適なシーケンスを選ぶことが重要になります。

確認するべき3つの項目はここ

プレミアで新規シーケンスを作成すると以下のようにプリセットの選択を聞かれます。

聞きなれないアルファベットの名称や数字で混乱しますよね。

赤枠の文字は撮影したカメラの種類、もしくは収録された映像ファイルのフォーマットの一覧です。

「ARRI」や「Blackmagic Design」などはカメラや映像機器を作っている企業名です。

「AVC-Intra」や「DNxHD」「DV」などは映像の種類(フォーマット)を表しています。




今回は試しに、一番上に表示されている「ARRI」のフォルダを開きます。

さらにその中にある「1080p」のフォルダから「ARRI 1080p 23.976」を選択します。

すると、画面右側に詳細説明が表示されます。

しかし、これを見ても専門用語ばかりで意味不明という方が多いと思います。

安心してください。今回重要な箇所はこのごく一部。

右側に表示されたビデオ設定の部分です。

このビデオ設定がシーケンスを選ぶときに確認する箇所です。

シーケンスのプリセットで注意する3つの箇所はビデオ設定
・フレームサイズ
・フレームレート
・フィールド

確認ポイント①:フレームサイズ

1つ目の確認ポイントがフレームサイズです。

フレームサイズとは映像の大きさを表しています。

「ハイビジョン」「フルHD」「4K」「8K」などという言葉を聞いたことがないでしょうか?

これらは全て映像のフレームサイズのことを表しています。

Photo by JESHOOTS.com from Pexels

普段私たちが見ているテレビは横長の長方形のサイズですよね。

これは一般的に「フルHD」と呼ばれているフレームサイズになります。

その大きさは、横1920ピクセル:縦1080ピクセル。

このピクセルという単位、ドットや画素数などとも呼ばれますが、

映像というのは、このピクセルが1つずつ違う色を出すことによって1つの絵を作り出しています。

フルHDのフレームサイズでいうと、横1920×縦1080のピクセルの合計=207万3600個のピクセルがそれぞれ違う色を出すことによって映像として認識されています。

Photo by Umbertoon Unsplash

各フレームサイズと名称

下記にフレームサイズの種類とおもな用途をまとめました。

フレームサイズ おもな用途
SD(720×480) アナログ放送・DVD
HD(1280×720) PlayStation3
フルHD(1920×1080) テレビ放送・Bluray・PlayStation4
2K(2560×1440) 映画
4K(3840×2160) 映画・Netflixなど
8K(7680×4320) NHK BS8K放送

フレームサイズとシーケンスが合わないとどうなる?

先ほどのフルHD(TV)と4Kの映像を比べてみましょう。

フルHDのフレームサイズは横1920ピクセル:縦1080ピクセルです。

対して4Kのフレームサイズは横3840ピクセル:縦2160ピクセルです。

つまり4KというフレームサイズはフルHDの2倍の大きさがあるということを示しています。

フルHDで撮影した素材を4Kのシーケンスで編集したらどうなるでしょうか?

4Kという巨大な収納箱に対し、入れる素材はその半分のフレームサイズのフルHDです。



では実際にプレミアの4KシーケンスにフルHDの映像を入れると下記のようになります。

4Kのシーケンスに対して、フルHDは半分のフレームサイズしかないため天地左右に空白を意味する黒味が出てしまいました。



では反対にフルHDのシーケンスに4Kの素材を入れるとどうなるでしょうか。

小さなフルHDという入れ物に対して大きな4Kの素材を入れたため、映像が入れ物に収まらずはみ出てしまいました。

このように撮影素材のフレームサイズとシーケンスのフレームサイズが合わないと編集作業に不具合が起こります。

シーケンスプリセットの第1の確認ポイントは

収録素材のフレームサイズとシーケンスのフレームサイズを合わせることです。

収録した映像のフレームサイズがわからない

こんな悩みもプレミアではすぐに解決できます。

プレミアは映像素材は全て「プロジェクトウィンドウ」に収納されます。

この「プロジェクトウィンドウ」の表示を右に送ってゆくと、

「ビデオ情報」という項目があります。

ここで素材がもつフレームサイズを確認することができます。

確認ポイント②:フレームレート

2つ目の確認ポイントはフレームレートです。

フレームレートとは映像が1秒間にいくつのフレームで動いているかを示しています。

いきなり難しいですよね。

でも大丈夫です。皆さんはパラパラ漫画を作ったことはありませんか?

パラパラ漫画は1ページ毎に絵を書いてゆき、それを2ページ目、3ページ目と進んでいく毎に絵を変化させることでノートをめくるとアニメーションのように動き出して見えるというもの。


この1ページ毎に書かれた絵、これがフレームです。


では10ページ絵を書き、1秒でめくったとします。

これを動画の世界では1秒間で10フレーム表示した考えます。

つまりフレームレートとは1秒間の中で何枚のフレームが存在しているのかを表すものなのです。

フレームレートの単位:fps

ここでもう一度、最初のプリセット画面を見てみましょう。

フレームレートの欄が「23.976 フレーム/秒」となっています。

さらにその上の「タイムベース」ご覧ください。

23.976fpsとなっています。

この「fps」という単位、これはframes per second(フレーム パー セコンド)の略で1秒間に表示されるフレーム数を表すフレームレートの単位です。

日本語で表すと「フレーム/秒」です。

つまり、言い方は違いますが「タイムベース」と「フレームレート」は同じ意味を表しています。


現在この表示は「23.976fps」となっていますので1秒間で23.976フレームを表示するということです。

これが「30fps」となっていれば1秒間で30フレーム表示します。

先ほどの10枚のパラパラ漫画ですと「10fps」ということになります。

「fps」とはフレームレートを表す単位なのです。

【雑学】23.976fpsと24fpsの違いは?

先述の「23.976fps」は一般的に「24fps」とも呼ばれます。

ではこの「0.024fps」のズレは何なんでしょう?

これは、厳密に1秒間に表示するフレーム数が24枚だと長い時間再生していくと非常にわずかですが時間にズレが生じてきます。

最初はわずかなので気が付きませんが、長い時間連続して再生していくと24フレームを1秒で表示していたはずが1.001秒になるというようにズレていきます。

そのズレを修正するためにこのような細かな数値となっています。

イメージは「うるう年」

年月という単位も、4年に1度「うるう年」という日を設けることで太陽と月の運行のズレを修正していますよね。

これと同じように映像も、時間とフレームレートの関係を修正するために細かい数値となっているのです。

少し難しい話ですが「フレームレートは本来は厳密に割り切れる数字ではない」という程度の認識で構いません。

フレームレートの種類と一般的な用途

以下にフレームレートの種類とおもな用途をまとめました。

フレームレートの種類 おもな用途
3~5fps 一般的な防犯カメラ・監視カメラ
8~15fps 一般的なアニメーション
24fps(23.976fps) 映画
25fps 欧州のテレビやDVD
30fps(29.97fps) 日本のテレビやDVD、Youtubeなど
50fps 欧州の4K・8KテレビやDVD
60fps(59.94fps) 日本の4K・8KテレビやDVD
120(119.88fps)〜240fps スローモーションカメラ、ゲームなど

フレームレートの数値が少ないほど映像がカクつく動きになり、数値が大きいほど滑らかな動きになります。

一般的に人間がスムーズと思えるフレームレートは、24fps〜30fps程度と言われています。

日本のテレビ放送は30fps(29.97fps)のため、30fps程度の動画であれば違和感を感じることは少ないでしょう。

フレームレートはいくつに設定するべきか

では実際にシーケンスのフレームレートはいくつにしたらいいの?

この答えはズバリ、

撮影素材のfpsかアウトプットするフォーマットのfpsです。

①撮影素材のfps

撮影素材のfpsとは、撮影時にfpsをいくつに設定したかということです。

撮影するカメラや、スマホなどには必ずこの設定があると思います。

例えばiphoneでしたら右下の数字です。

これはフレームサイズは4K(3840×2160)フレームレートは24fpsということを表しています。

ここをタッチすることで収録フォーマットが切り替わります。

このように映像では収録時にも何枚のフレームで撮影するかというfpsが存在します。

この収録時のfpsとプレミアのプリセットのfpsを合わせることで素材を正常なスピードで編集することができます。

②アウトプットするフォーマットのfps

アウトプットするフォーマットとは先ほどの表の右側の部分のことです。

フレームレートの種類 おもな用途
3~5fps 一般的な防犯カメラ・監視カメラ
8~15fps 一般的なアニメーション
24fps(23.976fps) 映画
25fps 欧州のテレビやDVD
30fps(29.97fps) 日本のテレビやDVD、Youtubeなど
50fps 欧州の4K・8KテレビやDVD
60fps(59.94fps) 日本の4K・8KテレビやDVD
120(119.88fps)〜240fps スローモーションカメラ、ゲームなど

例えば映画をアウトプットとして考えている場合、映画のフレームレートは24fps(23.976fps)です。

この場合プリセットの選択は24fps(23.976fps)シーケンスとなります。

この時、撮影も24fpsで行うことでフレームレートのズレがなくスムーズな編集環境が整います。

フレームレートが合わないとどうなる?

映画を想定していたのに、撮影を30fpsでするとどうなるのか?

映画の場合は1秒24フレームを表示する24fpsシーケンスで編集します。

しかし素材は1秒30フレームとなっています。

以下の図をご覧ください。

この図は24fpsのシーケンスを可視化したものです。(通常フレームは0からスタートします。)

24fpsのシーケンスに30fpsの映像を入れようとすると上の図のように、24フレームから29フレームまでの6フレームが入りきりません。

これを強引にプレミアで24fpsのシーケンスに入れ込むと以下のようになります。

30fpsの素材の先頭から5フレーム毎、

赤くハイライトしたフレームに注目してください。

この赤くハイライトされた6つのフレーム。

このフレームを削ることで30fpsを24fpsに擬似的に変化させるのです。

以下の図では4.9.14.19.24.29のフレームが削られたことにより強制的に24fpsになりました。

でもよく見てください。

本来連続している数字がフレームを作り出しますが、30fpsを変化させたものは

3のつぎが5、8のつぎが10と4フレーム毎にフレームが飛んでいるのがわかります。

つまり、映像が1フレーム飛んでしまうんです。

これを再生すると映像の動きが飛ぶことになり、見る人に違和感を与えます。

このように、どのアウトプットを想定しているか、それに合わせたfpsで撮影し、編集することが大切になります。

確認ポイント③フィールド

最後3つ目の確認ポイントはフィールドです。

「インターレース」「プログレッシブ」という言葉をご存知でしょうか?

これは映像をテレビやディスプレイに出す時の走査線の表示方式の名称です。

他の確認ポイントと同じく撮影時にどちらかを設定します。

インターレース方式

インターレース方式とは、下図のように1フレームの映像を「1A」「1B」と2枚に分解して表示する方式を言います。

日本のテレビ放送はこの方式を採用しています。

この分解されている線を走査線と言い、これは先に出てきたピクセルの横の列を表しています。

この走査線のことをプレミアではフィールドと言います。

以下はプレミアのインターレースのAVCHD 1080i30(60i)というプリセット画面です。

1080iの「i」はインターレース(interlace)を表しています。

フィールドが「奇数フィールドから」となっています。

先の図の「1A」のフレームのように1番上のピクセル(奇数)から1つ飛ばしにAフィールドは表示していくので「奇数フィールドから」と表示されます。

プログレッシブ方式

一方、下図のようにすべての走査線を一度に表示するのがプログレッシブ方式と言います。

おもに映画やゲームなどに採用されています。

以下はプレミアのプログレッシブのAVCHD 1080p30というプリセット画面です。

1080pの「p」はプログレッシブ(Progressive)を表しています。

プログレッシブ方式の場合走査線を分解していないので「フィールドなし」となります。

このようにプレミアプリセットではインターレースのことを「i」プログレッシブのことを「p」と表示しています。

それぞれのメリット

インターレース方式は、1秒あたりに表示する画像枚数がプログレッシブ方式の2倍になるため、プログレッシブ方式と比較して映像をなめらかに表示することができます。

一方、プログレッシブ方式は1枚の画像を構成する走査線数がインターレース方式の2倍であるため、画像1枚あたりの解像度が高くなります。

映画などがプログレッシブ方式を採用している理由がこれになります。

個人的には動きの激しいスポーツなどはインターレースの滑らかな映像が向いていると思います。

一方、シネマティックと言われる映画のような質感を求める作品ではプログレッシブが適していると思います。

また、YouTubeやSNS用の動画を制作する際はプログレッシブをお勧めします。インターレースですと画像が乱れる恐れがあります。

それぞれのメリットを考慮して撮影フォーマットを決めることをお勧めします。

まとめ

シーケンスプリセットの確認ポイント3点

・フレームサイズ
・フレームレート
・フィールド

以上について解説してきました。

ここまで読んでいただいた方はもうお分りだと思いますが、これらは全て収録時に設定する項目です。

つまり最初に申し上げたように、シーケンスプリセットは撮影素材に合わせることが重要ということがお分りいただけたかと思います。

さらに突き詰めると、アウトプットするフォーマットを見据えて撮影をすることが重要です。

様々なフレームサイズ、フレームレートのものを混在して編集しなくてはならない場合

このような時は、どのフォーマットでアウトプットするかを定めましょう。

この映像は「映画」「TV」「Youtube」なにを想定して作成するのか。

アウトプットを決めることでフレームサイズ、レートを決定することができます。

設定が違うものを同じシーケンスに入れると不具合が出る場合がありますが、

何か1つ、基準となるフォーマットを定めないと正常に編集作業ができません。

その時の道しるべとなるのがアウトプットの設定なのです。



プレミアではこのように、異なる設定の映像も同一シーケンスで扱うことができます。

この辺がプレミアの柔軟な考え方だと思います。

フレームサイズの変更でしたら拡大縮小を使うことで、サイズを整えることができますし、

フレームレートに関しては絵の飛びを発生させるリスクがありますが、再度撮影することが不可能でしたらこのようにするのが最善かと思います。

しかし、なるべく編集時のリスクを少なくするためにも撮影時の確認をしっかり行うことが大切です。

・フレームサイズ
・フレームレート
・フィールド

この3点を確認して正しいシーケンスプリセットを選択してください。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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